僕はもうすっかり歳をとってしまい、きっとダメになってしまっているんだろう。
少し前に歯の詰め物が取れたと思ったら今度は別の歯の詰め物が取れた。
口内の崩壊が始まっている。
学級崩壊寸前だ。
いやそれは校内の出来事だろう?というツッコミは敢えてここでは書かない。
そうして治療を待ちながら過ごしていると今度は別の歯が二つに割れた・・・。
歯が割れるって何?歯ってそんなに簡単に割れるものだっけ?
とりあえずヤフー知恵袋にでも質問したい。
最近であればChatGPT辺りにでもするべきだろうか。
いずれにしても状況としてはお酒を飲みながら硬い硬いスルメを食べていて、なかでも特段に硬いやつを見つけたものだから思い切って噛み切ってやろうと勝負を挑んでみたらあっさりと返り討ちにあった。
それはもうトーナメントの一回戦負けくらいに簡単な敗退だったし、泣けるほどに歯痛い。
実はそういうことはちょこちょこ世の人々の間で起きているらしく、『歯根破折』という名で歯茎の中まで割れる事故として珍しくはないらしい。みんな負け過ぎだ。ただできるだけ出くわしたくはないし、出くわした自分としては二度と味わいたくない。
口の中で歯が割れた感覚ときたら絶望しかなく、これはもう丸ごと抜いてインプラントにするしかないだろうと諦めながら恐る恐る歯医者に行った。
するとベテランの歯科医が「これはひどいですね。普通であればインプラントです。けれど僕ならなんとかできます!!」と心強い言葉で宣言してきたからパッと視界が開けた。そう歯科医はいつも視界を開く。いやよくはわからないけど。
・・・という出来事が五年程前のことで、その後「残った歯からバイ菌が出ていて骨を溶かしていますよ、これはインプラントにするしかありません。残念ですが・・・」とまったく残念そうでもない様子で告げられたから再度絶望の淵に突き落とされながら五十万円をかけてインプラントをすることにした。
そうしてまずは問題の歯を抜いたのだけれど、その時になってようやく以前流行った西野カナの歌の気持ちがわかったというところからこの話の題名を決めた。
そう・・・
歯痛くて歯痛くて震えている。