大阪で取引先の社長と飲むはずが高熱が出たということでキャンセルになった夜。
ひとりでぶらぶらするのもなんだかなと、ちょうど去年久しぶりに再会し、同時にやりとりも再開していた昔の彼女に連絡を取った。
「飲みにでもいかない?」と。
すると、会うのは構わないけれどお店に来てくれとのこと。
そう、彼女はとっくの昔に結婚し、すっかり二児の母であると同時に、大阪の夜の街ではお店を任されたママにもなっていた。
つまり彼女は母であると同時にママでもあった。
そしてもうあの頃のママではない。
いや、ままではない。
そんな思いを噛み締めつつ、結婚すらしていない自分を恥じながら夜の難波へと足を運んだ。
お会計1万円。
高いか安いかはわからない。
ただ普段、仕事以外でそんなところに行くことはない。
そうやって女性にお金を貢ぐという、いわゆるパパ活を行うことで、ようやく自分はパパにはなれたのだった。