全自動洗濯機だなんてよくも名乗れたものだな恥を知れ、そして脱げ!

土日に天気が悪いのは日頃の行いが悪いせいだろうか。
だとしても自分ひとりのせいじゃない。

みんなの土日の天気が悪いんだから、
きっとみんなの日頃の行いが悪いんだろう。

みなさん、どうか心を改めて正しく生きてください。

ふぅ・・・

言いたいことは言った。
けれど天気はよくならない。

困ったことに明日着るシャツもないほどに洗濯物が溜まっている。

そんな溜まりに溜まった洗濯物達に鼻を近付けてみると、豊潤なビネガーの香りがツンと鼻を突いてきたから、これをいつか調理に使ってみたいと思った自分を今でも不思議に思う。

ウソだけど・・・。

それにしても、洗濯物なんて溜めても何もいいことなんてないのになぜかいつのまにやらそうなっていた。これがベルマークであれば、せめてもの救いだったのかもしれないのに。って、ベルマークってまだあるんだろうか・・・。

と調べてみたらまだあった。
むしろ現役バリバリな様子。

ベルマーク教育助成財団

僕からは何もできないけれどがんばってください。

話が逸れた。
がんばらなくちゃいけないのは自分だ。

それにしても着るものがないということがこんなにも困難を招くということを初めて知った。

もし自分に、すっ裸でコートを羽織って外出する勇気や性癖でもあれば今すぐにでもそうするのに。残念ながらそういった突き抜けたマニアックさはまだ持ち合わせていないので、ただただ途方に暮れている。

独り身の不便さはこういうときになって突然やってくる。普段は誰にも干渉されなくて自由だけれど、洗濯物がすっぱいのは少々困る。

家にある全自動の乾燥機付き洗濯機だって当てにはならない。

そもそも世の中にある全自動と名乗る洗濯機達ときたら、どれもこれもたいして全自動じゃないくせに何威張ってんだよと体を反らしながら空に向かって叫びたい。

『全自動』と名乗るのであれば、床に散らばった洗濯物達を拾い集めて洗濯機に投げ込み、じゃぶじゃぶと洗い、脱水し、乾かして、もしくは乾燥させて、畳んで、アイロンをかける、くらいのことはして欲しい。

ついでにご飯を炊いて、お風呂を入れて、一緒に入って、子守歌を歌いながら寝かしつける、くらいのことまでして欲しい。

それなのに、人の手を借りながらようやくほんの少しの作業をこなせるだけで『全自動』だなんてよく言えたものだと思う。それじゃあ恥ずかしくて裸で街を歩けない。

いや、だからそういう性癖はないけど。

いずれにしても、甘めに採点しても『半自動』、厳しく言えば『五分の一自動』くらいの称号しか与えられない。そりゃそうだ。顔を洗って出直してこいと言いたい。なんなら顔を洗って脱水し、乾燥させて出直してこいと言いたい。半人前の洗濯機でもそれくらいはできるだろう。

いや、まぁいい。
文句ばかり言っていられない。

とにかく洗濯をしなけりゃ着るものがない。「米を炊かなきゃごはんが食べられない」というのと同じ状況に今自分はいる。

ただ言っておくけれど、自分は洗濯機を持っていないわけじゃない。家には立派な、いわゆる『半分自動洗濯機』がある。けれど縦型乾燥機だとYシャツがしわくちゃになるから天気が悪くて外に干せない日には洗濯をしたくないってだけの話だ。

だから仕方なく雨の降る中、その酸っぱい洗濯物達を両手いっぱいに抱えながら、アゴで押さえながら近くのコインランドリーへと徒歩で向かった(徒歩でトホホな気分だけどもちろんそんなことは言わない)。

午後11時閉店と後で知ったコインランドリーに着いたのは午後11時ちょっと過ぎで、オーナーらしきおばちゃんが店内の掃除を終えるところだった。

こちらもおっさんだけれど、おばさんはその倍くらいにおばさんだったから、少しこびるような感じで、そして可愛くねだるような感じで「あのぉ、洗濯させてもらわないと裸で出社しなくちゃいけないんですよぉ・・・」とは言わなかったけれど、「困ったことになるんです」と切羽詰まった状況を説明すると、12時まで開けてくれることになった。

おばちゃん、ちょろいもんだ。

なんてことは思わない。
すこぶる助かる。

ありがとうございます。

そうして洗濯を終えて乾燥機を回し始めたけれど、洗濯物はぐるぐると忙しそうに回っているけれど、自分はすることもなくやけに暇で、とりあえず今の状況を報告したくなったというわけだ。

それにしても雨の日の長靴は夏の海のサンダルくらいに快適で、やけに気分を盛り上げてくれるから、どこまでも歩いていけそうな気がしている。

どこまでもどこまでも、瞳孔までもが開くまでも・・・。

よくわからないけれど暇すぎてイッちゃってる気分だ。

今なら裸で外を歩けそうな気がする。

(※これは過去のある雨の日の夜に書いたものです。ちゃんと服を着て帰りました)

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