たぶんこれはビジネスの話
これは仕事関係の話で少々真面目な内容になってしまうけれど、先日、タイのお客さんからメールでの問い合わせがあった。
海外のお客さんからのメールで困るのが、その人が男性か女性かわからないということで、今回も名前は書かれているけれど『たかし』や『ゆみ』といった馴染みの日本語名ではないから、そこから性別の判断はつかなかった。
メールを返信しようにも勝手に男性だと判断してMr.などと付けようものなら、「なによあなた失礼な人ね。そんな人との商売はお断りよ(プリプリ)」となってしまうからそこは慎重に、まずはタイにおいてのその人の性的な立ち位置について確認することにした。
立ち位置・・・
というか、つまりは立つ人なのか立たせる人なのかということを確認することにした。
改めて書いておくけれどこれはビジネスの話だ。
そう、これはビジネスの話だ
気を取り直して検索開始。
するといきなり出てきたのが『タイには性が18ある』というものだったから、こ、これはいったい・・・と思わぬ所で宝箱に遭遇した勇者のような気分で、興味津々、早速箱を開けてみた。
18の性
そうして中身を確認して気づいたのが、これ、宝箱というより『人食い箱』じゃないのか?ということで、正直カオス過ぎて意味がわからなかった。
恐らく『18』という数字だけ聞いてもピンと来ないんじゃないだろうか。
そんなわけで下に表を作ってみた。
男性 | 女性が好きな男性 |
女性 | 男性が好きな女性 |
トム | 男装をした女性で女性もしくはディーが好き |
ディー | 男っぽい女性やトムが好きな女性 |
トムゲイ | 女性、トム、ディーのすべての女性が好きな女性 |
トムゲイキング | トムが好きな男っぽいトム |
バイ | バイセクシャル、トム、レズビアン、男性を好きな女性 |
ボート | 女性、ゲイキング、ゲイクイーンのどれとも付き合うことができる男性(オカマは含まず) |
ゲイクイーン | 男性が好きな女らしいゲイ |
ゲイキング | 男性が好きな男らしいゲイ |
トムゲイツーウェイ | トムゲイキングとクイーンのどちらにでもなりうるトム |
トムゲイクイーン | トムが好きな女性っぽいトム |
レズビアン | 女性が好きな女性 |
オカマ | 女性になりたい男性 |
アダム | トムを好きな男性 |
アンジー | トムを好きなオカマ |
チェリー | ゲイとオカマが好きな女性 |
サムヤーン | レズビアン、トム、女性と付き合えてどれにでもなれる女性 |
トムが好きとか、トムと付き合えるとか、トムを追っかける様子が凄すぎて「これが現代版の『トムとジェリー』なのか?」と古いアニメを思い出しながらつぶやいてみたものの、いやけど待て、アニメの中のトムは追っかける側で追われる側はジェリーだぞ?
と思って「どこかにジェリーはいないか?」と探してみたら一応『チェリー』がいたからそれでもいいかと見てみると『ゲイとオカマが好きな女性』と書かれてあったからただもう途方に暮れた。
それにしてもトムがいて、トムゲイがいて、トムゲイキングがいて、トムゲイクイーンがいる時点でひどく混乱させられて「これってポケモンの進化的なやつなの?それともドラゴンボールのフリーザ的なやつ?」と疑問に思って次に・・・
そもそもこのところどころに出てくる『トム』って何者?
と見てみると『男装をした女性で女性もしくはディーが好き』と書いてあったからもうそこにいった何の違いがあるのかさっぱりわからなくなって自分の性すら見失いそうになった。
いや、男性だけど。
ちなみにサムヤーンは軽く揚げて甘辛いタレを付けるとうまそうだ。
いやそれはどうでもいい。
とりあえず他の性別を無視してこの『トムゲイクイーン』についての説明を自分なりに試みてみると・・・
『男装をした女性で、女性もしくはディー(男っぽい女性やトムが好きな女性)が好きな女性っぽい男装をした女性』ということになって、ああ、やっぱりもういいやと足を投げ出した。
それでもまだまともな思考を保っていられるうちにさらに先を見ていくと、トムゲイツーウェイがいて『どっちにもなれる』と書かれてあったからこりゃもうお手上げだー!!!とスマホを投げ捨てたくなった。
もういいからどっちかにしろ!
結論
そうして検索には短くない時間が過ぎていったものの、結局タイのお客さんの性別はわからないままで、仕方がないからメールには『Dear Mr./Ms.』を付けた定番の文言を書いておいたけれど・・・
これってあれだろうか?
本当は『Dear Mr./Ms./Tom/Dee/Tomgay...』だとか書かなければいけなかったんだろうか。まぁ、たぶんいらないだろうけど。
それにしてもこの最近流行りの多様性っていったいなんなんだろう。
多様過ぎて収集がつかなくなっているし、不便になっているだけに思えるのは自分だけだろうか。つまりこれは多様性にはうまいこと対応せいよってことだろうか。
そしてこの片思いだらけのように見える恋の矢達はちゃんと意中の人達に刺さることがあるんだろうか。
男と女くらいしか性別がなかった自分の若い頃ですら渾身の思いで放った恋の矢は結局誰かのハートを射貫くことはなかったというのに・・・。
そんな自分の立ち位置はさしずめ独身キングといったところだろうか。
・・・というビジネスの話。