「ごめんなさい・・・けれど、ありがとう」
そんなマイナスとプラスが相反する言葉の組み合わせ、告白の場でしか使われないものだと思っていた。
ごめんね。
あなたとは付き合えない。
けれど私を好きになってくれてありがとう。
・・・くらいのものだと。
「ありがとう」と言ってもらえるものの結局つきあえない。
けれど、その言葉の優しさに振られた者は救われる。
そんな敗者を救う魔法の言葉。
もしくは復活の呪文。
いや全然立ち直れないけど・・・。
そんなことを思ったのは昨日のお昼。
友人がたばこを吸うのに付き合って荻窪駅前の喫煙所にいると通りかかった美女。
気になって視線がどうしても彼女に向かっていたところに突然強い風が吹き、彼女のスカートをめくりあげた。
「え?やだ・・・マリリン・モンローにみたいになってる!!」
とずいぶんと古いハリウッド女優の名前を出しながら、彼女が自分の状況を的確に伝えたものだから目が離せなくなり・・・
次の風はまるでこちらの期待に応えるかのようにさらに強く吹き・・・
傘とカバンで両手が塞がった彼女はスカートを押さえることもできないまま、大型の鳥が飛び立つ前に翼を高く上げるかのようにスカートがめくりあげられ・・・
真っ黒な素敵な大人の下着を僕らに見せてくれたものだから「なんてスケベな風なんだ!けしからん!」と形だけのいつわりの怒りを表していたところ・・・
恥ずかしそうに振り向いた彼女と目が合い、
そして軽くにらまれた時に僕たちが返した表情が・・・
いやなんかすいません。
けれど、あざす。
てへへ。
という・・・
ごめんなさい・・・けれど、ありがとう。
というものだったから、こういうときにも使う言葉なんだなということを学んだ。