その日、マクドナルドのスマイルが0円じゃないことを知った

少し前のこと。

コーヒーが飲みたいな、と思ってマックに入った。

そう、自分のような庶民はコーヒーが飲みたくなるとマックドトールコンビニに向かう。高価なスターバックスに行くのは名前の通り『スター』だけに許された特権だ。

いや、そうなの?知らないけど。

ちなみに関西の方々のために言っておくと、マックというのはマクドナルドのことで翻訳するとマクドのことだ。

だから、決して高身長の女装家のことじゃない。

いやそれはミッツだ。
いわゆるミッツ・マングローブだ。

それはもうマックでもなんでもない。

『ッ』しか合っていないのについ出してしまった。
それにしても『ッ』だけだと言いにくい。
困ったマングローブだ、まったく。

とにもかくにもそのマックに入った。

店の表には例の不気味な赤パーマのピエロが足を組みながら「おい、俺の横に座りなよ」とでも言うような姿勢で偉そうに手を横に伸ばしてイスに座っていたけれど、ちらりとだけ見てただ素通りした。もしかしたらヤツはその後もずっとこちらを見ていたのかもしれない。まったくもってイカれたキャラだ。

そうやってコーヒーを飲むために、正式な発音でいうところの“マッダナルズ”に入っていった。

店に入るとレジの前へとすたすた近づきコーヒーを注文した。

対応した店員はとても可愛らしい女の子で「サイズはいかがなさいますか?」と、この笑顔を守るためならいくらでも払ってやろう!と思わせるような可愛らしいスマイルを0円で添えて質問してきたから「えっと、じゃあMで・・・」と見かけによらず実はなにかとな自分だけれど、その後店内で潰す時間を考えてマゾ(M)サイズの方を頼んだ。

ちなみにマゾ(M)サイズはサド(S)サイズより100円高い(←これ重要)。

会計を済ませたあと、彼女がコーヒーを手渡してくれたときにもやっぱり例のスマイル付きだったから軽く恋に落ちたものの・・・

「おかわりは自由ですから」

と言われたときにはすべてを吹っ飛ばして「え?」となった。
一瞬理解できなかったけれど違和感を覚え、少し考えて理解した。

これ、サイズを分ける意味がない。

だってSでもMでもおかわりし放題なんだから。
だったらSでいい。
それを知っていたらMサイズは頼まなかった。

と戸惑い・・・

次に頭の中の小さなコンピュータが「ん〜。ってことは彼女のスマイルに100円払ったということか?」という答えをはじき出していた。

そうしてなんとも腑に落ちない気分を味わいないながらもコーヒーを飲み干し店を出ると・・・

例の赤パーマがやっぱりこちらを見ていて「おまえ、やっちまったな」とニヤリとした笑みを浮かべたように思えて、なんだかやけにマックにファックを感じるミッツだった。

いや、
だからミッツはまったく関係ない。

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