コロナ禍による海外渡航の難しさから2年ぶりとなってしまったフィリピン出張。
無事にフィリピンに向けて飛び立ち、そして降り立ち、入国し、過ごし、時が来て、日本に向けて飛び立ち、降り立ち、そして入国することができましたのでその内容について書いてみました。
今回は往路編ですが、復路編についてはこちらになります。
フィリピンへ渡航で必要となった事柄については別でまとめてみました。
もし興味があればこちらを御覧ください。
フィリピン渡航情報『出張や旅行で必要となったこと』(2022年3月15日出発)
そして話は出発前夜に戻ります。
出発前夜:2022年3月14日
出発前夜、スーツケースなどのパッキングをしていたのですが、以前のように小さなスーツケースに詰め込めるような旅慣れた経験はリセットされてしまったようで、大きめのスーツケースが上から体重をかけて抑え込むことでようやく閉めることができるくらいいっぱいになっていました。
ちなみに自分は海外営業を担当しており、コロナ禍が始まる前までは月に一度は海外出張をしていました。フィリピンはよく行く国で、その他にインド、ベトナム、インドネシア、シンガポールなどの東アジア、東南アジアに行くことがあり、年末年始の長期休暇ではアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ方面に一人旅をして一年のご褒美を自分に与えるというような過ごし方をしていました。
今回は仕事で現場撮影をしなければいけないということでそのための機材が増えてしまったのと、久々の海外出張で不安になり、あれもこれもと詰め込んだせいで荷物が多くなっていました。また、二年前とは違い、パソコン(MacBook Pro)が一台増えたのも荷物が増えた理由です。
出発の朝:2022年3月15日
朝9時25発のJAL便JL741を予約していたため、二時間前には成田空港に着いていたいと考え、朝の5時15分には家を出発したいと考えていました。
朝、4時半に目覚ましの音で起こされ、窓の外はまだ真っ暗の中、ゆっくりと支度を始め、予定通りの時間には出掛けることができました。
ただ、玄関のドアを開けると小雨が降っていて、駅に着く頃には防寒で着ていたユニクロライトダウンがしっとりと湿るくらいに濡れていたので少しだけ気分が沈んでしまったのはどうしようもないことでした。
とはいえ駅に着いてしまえばその後の乗り換えで濡れることはないのでここはもう気持ちを切り替えてしくしかありません。
中央線上り列車で神田駅へと向かい、山手線に乗り換え、京成スカイライナーで成田空港へ向かうのがいつもの行き方ですが、二年ぶりのせいで勝手がわからず、スカイライナーチケットをスマホで購入しようとしても登録していたクレジットカードの期限が切れてしまっていので少し慌てました。
それでもなんとかカード期限の更新を終えてチケットを確保し、日暮里駅で電車を降りたときにはスカイライナーへの乗り換え準備が整っていました。
JRから京成線への乗り換えに向かうと、券売機や窓口でチケットを買う人達で溢れていたのでここはオンラインでチケット購入しておくのが間違いのない方法だなと思いました。
ここでスカイライナーを逃すと次は20分後になります。日暮里で立ち尽くすことしかできないロスは痛いです。そういった意味で自分は6時00分にJR日暮里駅に降り立ち、6時05分には京成スカイライナーに乗りこんでいたので、無駄のない移動ができたと満足しています。
オンラインでチケットを買っていれば5分もあれば十分乗り換えが可能ですが、これが券売機や窓口を使うとなるとかなり慌てることになるでしょう。
京成線のホームにはスーツケースを持った旅行者達が多くいて、久しぶりの海外旅行感を味わいました。
そして京成スカイライナーに乗ってしまいさえすればあとは成田空港まで43分、寝ていてもたどり着けます。
とはいえ、ここで自分が降りる駅を把握していないと乗り過ごすなど大変なことになります。事前に自分が乗る飛行機のターミナル番号を調べておくことをおすすめします。自分はJAL便の利用でしたのでターミナル2でした。
成田空港に近づくと降車駅についての案内が車内放送されます。最初の駅が『空港第二ビル・第二ターミナル・第三ターミナル』という3ヶ所がセットになったもので、自分はここで降りることになります。そこで降りなければ次は第一ターミナルへと行ってしまいます。
成田空港で改札を出ようとしたところで自動改札機に止められてしまいました。あまりに久しぶりなものだから料金を把握していなかったせいです。スカイライナーの特急券1,250円をオンラインで購入していたものの、乗車券にはそれとは別に1,270円が必要になります。それを忘れていたので止められたというわけです。慌ててSuicaにチャージしました。
JALカウンターの朝は遅い
第二ターミナルのエスカレーターを上がりJALのカウンターに着いたのが6時50分。この時間だとまだカウンターが開いていないんですね。どこかで座って待とうかと思いながら立っていると数分後「おはようございます」とアナウンスがターミナル内に流れ、カウンターが開きました。
カウンターでは次の四点の提示が求められました。
1.パスポート
2.ワクチン接種証明書
3.PCR検査陰性証明書
4.HEALTH PASS登録書
この4.のHEALTH PASSはネットで前日に登録したのですが、行き先や滞在予定、健康状態の記載が求められたのと、ワクチン接種証明のデータ、PCR検査陰性証明書のデータ添付も必要になり、何度か申請に失敗し、ようやく完了したというものでした。
添付書類をどう添付すればいいのかと悩みましたが、ワクチン接種証明書はスマホのスクリーンショットを使いjpgデータにし、PCR検査陰性証明書はスマホで撮影したものをPDFデータにして添付しました。
また、ページの下の方、最後の方に同意ボタンがあるのですが、これを押すことを忘れていたためにうまくいかなかったのと、一度うまくいかないと記載していたデータや添付データが消えてしまい、改めて同じことをしなければいけないというシステムになっているのが何度か失敗した原因です。
保安検査場の朝はもっと遅い
JALカウンターで荷物を預け、手続きを終えたものの、保安検査場は7時30分にならないと開かないということで列に並びました。
ここで、距離の取り方を知らない韓国系の外国人がなぜか背後にピタリとくっついてきているのがなんとも気持ちが悪く、列に対して90度の角度に体を向け、彼との間に境界線としてのカバンを置いてみたところ見事に踏まれました。
その後ようやく開いた保安検査場ではフィリピン人のおばちゃん達が順番を無視してどんどん前に行くのでうんざりしてしまいました。ベルトコンベアーに乗せたカバンの順番は変わるはずもなく、無意味に機械の反対側で待つという、よくわからない誤ちを目の前で見せてくれました。
「いやいや、待て待て」と何度も言ったのですが、日本語では通じなかったようです。
さて、保安検査場も無事通り抜け、その後の出国審査も問題なく抜けることができました。久しぶりの海外出張気分が高まります。
JALラウンジへ
ゲートへ行くのはまだまだ早いのでJALラウンジへ向かいました(出張が多いため、おかげさまでANAもJALもプレミアム会員になっています)。
ラウンジのカウンターに行くと、通常のビジネスクラス向けラウンジは閉鎖中ということでファーストクラスのラウンジに案内されました。
ファーストクラスのラウンジには足を踏み入れたことがないので期待しましたが、中は思ったよりも豪華じゃなかったので残念でした。これまでで良かったラウンジはといえば、スターアライアンス上級会員向けのイスタンブール空港のラウンジ、同じくインチョン空港のラウンジでしょうか。ニューヨークのJFK空港やロンドンのヒースロー空港、スペインのバルセロナなどでもラウンジを利用したと思うのですが、なぜか記憶に残っていません。
JALラウンジではビールやワイン、ウイスキー、ソフトドリンクが飲み放題。食事は朝だったので朝定食が提供されていました。その他にJAL自慢のカレーライス、寿司などが用意されており、机のQRコードをスマホで読み込んで注文すると席まで届けてくれるというコロナ禍ならではの仕組みを採用していました。
とりあえずお寿司と和風の朝定食を頼み、飲み物はオレンジジュースを取りに行きました(飲み物は持ってきてくれないんです)。
食事を終えたあと、ソファで落ち着ける静かな部屋があったので、そちらに移りパソコンを開いて会社のメールを確認することにしました。
ゲートへ
搭乗の時間が近づいたのでラウンジを出てゲートへ向かったのですが朝早いせいなのかコロナ禍のせいなのか、免税店のほとんどがシャッターを閉めていました。なんとも寂しい光景ですね。
ゲートに着くと多くの乗客が待っていましたが、ほとんどがフィリピン人や白人系の外国人で、日本人はほとんどいませんでした。ようやく見つけた日本人は我慢できずに日本を飛び出そうとしている暇とお金を持て余した老人達だけのように見えました。
搭乗手続きが始まり機内へ入ると、思ったよりも混んでいて驚きました。事前にインターネットで座席指定するときには空いていたものの、実際に席に着くと前後に人が座り、ほぼ満席状態で埋まっていたので、当日空港に来てから席を決めて乗り込んできた人が多かったということでしょうか。
幸いなことに隣の席には誰も座らなかったのでマニラまでの数時間を広々とした空間で過ごすことができました。
ちなみに今の時期だからでしょうか、機内食に肉か魚かといった選択肢はなく、出てきた料理はあまり美味しいものではありませんでした。
マニラ空港到着
マニラ空港に到着し、飛行機から降りると迷彩色の軍服を着た係員に一旦乗客全員が止められました。
軍服ですから軍隊による規制が実施されているということでしょうか。そして、全員が整列したあと、一列に進むことを指示されました。
向かった場所はイミグレーションカウンターを通り過ぎた場所にある部屋で、一旦そこに全員が集められ、そして五人掛けの椅子に前から順に座らされました。そのとき隣り合って座る人との間に席を空けるようなこともしなかったので、小池都知事が避けるべきと叫んでいた密状態がそこにできあがっていました。
部屋の前には五人ほどの検査員がいて、前に座った乗客から順に呼ばれ感染症対策としての必要書類の提示を求められました。求められたのは次の4つだったと思います。
・ワクチン接種証明書
・PCR検査陰性証明書
・One Health登録証明
・航空機チケット
ここでOne Healthへの登録が済んでいることや証明書が揃っていることを係員が確認し、そしてそれをスマホやタブレットに登録していきました。それが終わると部屋から出てイミグレーションへ向かうようにと指示をされました。
書類確認自体は普段の入国時にはないものなので通常より時間がかかりましたが、そもそもの入国者が以前に比べて格段に少ないせいで全体的な時間としては以前よりも早く済んだくらいかもしれません。一番時間のかかるイミグレーションもまったく待たずに窓口にまで辿り着くことができ、検査官から「観光か?」と聞かれたので「いえ、仕事です」と答えるだけの短いやりとりを済ませて通り抜けることができました。
これで入国が完了しました。
入国後預けていたスーツケースをターンテーブルへと取りに行きましたが、まだ出てきていませんでした。しばらくしてから出てきた荷物を取り上げ税関へと向かいました。
税関では荷物を検査機械(X線?)に通すよう言われましたが、通している間、担当の三人はおしゃべりに夢中でまったく画面を見ていなかったので「これじゃ、やり放題じゃないか」と全フィリピン人に変わって文句を言ってあげたくなりました。
その後、申告書の提出を求められたのでそれを渡すと空港の外に出ることができました。
入国後
空港を出たあと、普段であればGrab(Uberのような配車サービス)を使って車を呼ぶのですが、コロナ禍で失業者が増えているということから、また2年ぶりのフィリピンで治安の状況がまったくわからないので、なるべく危険は避けたいと考え、ホテルの送迎サービスでホテルに向かうことにしていました。サービスはホテルのWebサイトにメールを送って事前に手配していました。
Grabであれば500ペソ(=約1100円)ほどで済むところ、ホテルの送迎を頼むと片道で3,000ペソ(=約6,600円)程かかってしまいます。とはいえ安全には変えられないので今回はこちらを選択しました。
そこから運転手と出会うまでにひと苦労したものの、まずはホテルまで無事に辿り着くことができました。
それにしてもこの日のマニラ、気温が36℃もあり、外で運転手を待っているだけで大量の汗が流れ出てきましたが、それと同時にフィリピンに来た実感も溢れ出てきたのでした。